埼玉県越谷市で、2020年にオープンした「つむじ風カフェ」。
越谷駅から徒歩10分でアクセスできるため、地元の人だけではなく遠方の人も足を運びやすいのが魅力のカフェです。ログハウス風の佇まいが魅力のつむじ風カフェは、遠方から足繫く通うファンも獲得しています。つむじ風カフェが往年のファンから愛され続けているのには、理由があります。
メニューのなかでも特に人気が高いつむじ風ブレンドと、おまかせランチの制作秘話についてもご主人からお話を伺ってきました。
つむじ風カフェをオープンしたきっかけ
ー本日はよろしくお願いいたします。
佐々木:どうぞよろしくお願いします。
ーカフェのオシャレな内装はすべて、佐々木さんがデザインされたんですか?
佐々木:いつかカフェをオープンしたらこんな雑貨や食器を使ってみたいと思っていたものを少しずつ集めていたんです。それをこのつむじ風カフェに置かせてもらっています。内装もこだわって決定する段階からいろいろと要望を入れて頂きました。
ー若いお客様も年配のお客様も寛げる雰囲気でとても素敵だなと思います。こちらのテーブルはもしかしたら手作りでしょうか?
佐々木:ありがとうございます。そちらのテーブルは、主人とDIYをしてつくりました。なかなかカウンターにぴったりのテーブルが見つからなかったんです。テーブルはすべて無垢材を使用したいと思っていて。「見つからないなら作った方が早い!」と思って作っちゃいました。
ーつむじ風カフェをオープンしたきっかけについてお聞かせください。
佐々木:本当は、コーヒーの移動販売がずっとしてみたかったんです。事務員として20代は働きながら移動販売がスタートできる資金を少しずつ貯めていました。
ー移動販売というと、ショッピングモールやイベントでよく見かけるような?
佐々木:そうです。ニーズがあるところに自ら出向いて、コーヒーをお客様にお出ししたいって思っていました。20代のころは、より自由度の高い働き方に憧れていたんだと思います。
ー移動販売からカフェに軌道修正したきっかけはあったんでしょうか?
佐々木:20代のころにコーヒーセミナーや勉強会に、休みの日になるとちょくちょく参加していたんです。そこで、移動販売やカフェを経営されている方達と直接お話できる機会があって、移動販売・カフェを運営するそれぞれのメリットとデメリットがわかるようになりました。
ー移動販売は難しそうかなと感じましたか?
佐々木:実際に移動販売をされている方のお話を聞いたら、天候に左右されやすいことや体力的にもハードなことを伺って、あまり体力がない自分に果たして務まるんだろうか?とちょっと不安になってしまったんです。そのころに主人と結婚しまして、本格的にやるなら2人で店を出してみようと話がまとまったんです。
ーそれでは「つむじ風カフェ」の主力商品についてお聞かせいただけますか?
佐々木:若いお客様から一番人気があるのは、ラテアートのホットカフェラテですね。
ラテアートは20代のころから独学で学んでいたので、20種類ほど描けます。お客様からご要望を頂いてアートをお好みのものにすることもあります。地元の方から喜んでいただいているのは、焼き立てのキッシュです。素材の味が伝わるように控えめな味付けにしているんですが、ご年配の方も「このキッシュのファンなのよ」って仰って買っていってくださる方もいますね。
ーコーヒー豆やキッシュに入れている野菜などの材料にもこだわられているのでしょうか?
佐々木:コーヒー豆は主人が時間をかけてハンドピッキングして、その日に必要な分だけ焙煎しています。そうすることで豊かな香りが引き立ちます。「コーヒーの香りつられて店に入ってしまった」という出社前のサラリーマンの方もいらっしゃいますね。野菜に関しては、地元の農家の方と契約していますので、すべて地元の野菜を使用しています。鮮度にこだわりたいので、野菜も朝に仕入れさせていただいています。
ー実は私も以前に足を運ばせて頂いているんですが、卵とほくほくのじゃがいもが入ったキッシュの大ファンなんです。
佐々木:本当ですか?とっても嬉しいです。焼き立てをお出しするようにしているので、注文後から少しお待たせしてしまうのが心苦しいんですが……。でも、喜んでくださるお客様も多いので「このやり方でやっていこう」っていつもお客様から背中を押して頂いています。
ー2020年は感染症の流行で本当に大変な部分もあったかと思うんですが、いかがでしたか?
佐々木:このカフェをようやくオープンしたばかりのところだったので、先行きに不安を感じる1年でした。今後、家賃を払い続けていけるのか?というところは常に不安に感じていました。
ーテイクアウトなど、工夫されたところはありましたか?
佐々木:ちょうど店頭販売できるようにお店に窓を設けていましたので、そこからコーヒーや軽食を販売してテイクアウトに力を入れていました。地元の方達にまずはこのお店を知ってもらいたかったので、地道にポスティングをしたりもしましたね。その効果もあってか、売り上げは予想よりは少なくなった印象はありませんでした。地元の方達の口コミで、少しずつ地元の方達に広めていただいた感じです。
ーネットなども活用されましたか?
佐々木:事務員のときに最低限のパソコンの知識は学んでいたので「つむじ風カフェ」のサイトを立ち上げて、新商品やお店のお知らせを毎日更新するようにしていました。お知らせがない日でも、今日使用している食材のご案内や、試作品のことまでブログみたいにアップしています。そのブログを見て「あの試作品食べてみたい!」って仰ってくださるお客様もいらっしゃいますね。自分たちが思っている以上にサイトを見て頂けているんだなと思って、嬉しかったです。
ー見てくださっている方がいると思うと、毎日更新するのもきっと励みになりますよね。
佐々木:そうなんです!仕事がどんなに忙しい日でも、ちょっとしたことでも良いから更新してみようって背中を押して頂いていますね。
ーつむじ風カフェにとっての今後の目標はありますか?
佐々木:そうですね。今は少しずつ地元の方達に認知して頂いている感じなのですが、感染症が落ち着いたころには遠方の方達にも訪れて頂けるようなカフェにしていきたいなっていう目標はあります。その目標のために、ラテアートの勉強にもさらに力を入れているところです。
ーこちらのラテアート、本当に可愛らしくて美味しいのできっと遠方の方もファンになる方がいると思います。
佐々木:ありがとうございます。主力商品の良いところを伸ばしつつ、今後は気軽に食べて頂けるようなスイーツも新商品を出していけたらと思っています。お客様にアンケートをとってみたら、テイクアウトしやすいクレープやスティック型のケーキが良いとのアイディアを頂きましたので、今はスイーツのメニューも少しずつ増やしているところです。
ーぜひ、スイーツの新商品が出来上がりましたら、食べに来させてください。本日は貴重なお時間を頂きまして、本当にありがとうございました!
佐々木:こちらこそ、今日はありがとうございました。「また来たい」って思ってもらえるようなカフェ作りができるように、がんばっていきたいと思います。
(文:小春)