草加市:取材

取材:サンプル2

 

草加市内で女性大工として現場監督を務める、加藤さん。

大工として4年間働くなかで、女性ならではの気づきや苦労もあったのだそう。

女性目線の大工の魅力や働くなかで気を付けているポイントなどをお伺いしてきました!

 

ー加藤さん、本日はよろしくお願いいたします。

加藤:こちらこそ、よろしくお願いします。

ー早速ですが、加藤さんが大工になろうと思ったきっかけをお伺いしてもよろしいですか?

加藤:学生のころから工事現場を見ることが好きだったんです。少し変な学生時代だったとは思うんですが、工事現場の写真を撮ったりイラストを描いてみたりということをしていました。なんにもない場所に少しずつ建物が建っていく様子を見るとワクワクしたんです。それで、高校3年生でいよいよ進路を決定するという時期に、自然に思い浮かんでいたのは「大工になる道」でした。

ーご両親は女性で大工になることについては、どう仰られていましたか?

加藤:父は私がやりたいことはいつでも応援してくれていたので、「大工になる!」と伝えたときには「やってみろ」って言ってくれましたね。でも母は心配性だったので、進路を決定するぎりぎりまで「大学に進学したら?」と言っていましたね。大工は怪我や事故が多い、というイメージがあったようです。父が母を説得してくれて、最終的には大工の学校に進むことを許してもらえました。

ー大工の学校というのは、家の建て方や道具の使い方を学ぶのでしょうか?

加藤:私は大宮にある大工の専門学校に通っていましたが、基礎知識をしっかりと教えてもらえる環境でした。カンナやノミなどの道具の手入れからグループ学習まで、幅広く実践しながら学ばせてもらったと思っています。現役の大工職人が指導してくれたので、現場で活かすことができるスキルを身に付けやすいと感じていましたね。2年生のときには、国家資格でもある建築大工技能士の2級を受けて合格できました。そのおかげで、就職活動がスムーズに進んだと感じていました。

 

 

ー現場監督になるというのは、就職時からの希望だったんでしょうか?

加藤:学生のときにお世話になった先生が「加藤さんは現場監督向きだね。俯瞰的に現場やチーム、仕事を見られる能力があるよ」って言ってくださったんです。それまでは漠然と「大工になりたい」って思っていたんですけど、現場監督も視野に入れながら働いてみようって、きっかけを頂きましたね。

ー現場監督になるためには、何年間か修行を積むものなのでしょうか?

加藤:現場監督になるためには、最低でも3年以上の実務経験が必要になります。現場で大工として働きながら、土木工事施工管理技士や建設工事施工管理技士の資格を取得して、現場監督になれる準備を進めていました。

ーきっと、現場で働きながら資格を取得することは大変なことですよね。現場で女性ならではの苦労した経験などはありますか?

加藤:そうですね。やはり体力では男性には敵いませんが、重い物を運ぶ場面で「女性だから」と免除されることはありません。怪我をしないように重い物を安全に運ぶコツを習得するまでが大変でしたね。当時は、女性専用の更衣室やトイレが現場になかったので、家から作業着を着ていってトイレは隣の店舗でお借りしたこともあります。以前には落下事故があったケースもあるようで、「仕事中は集中力を切らさないように」と先輩の大工からちょくちょく言われています。

ー夏場はかなり気温も上がるので、熱中症も心配ですよね。

加藤:先輩大工からも、熱中症予防のコツはいろいろと教わっています。塩分補給やスポーツドリンクの補給、冷却タオルなども使用していますね。ヘルメットのなかに入れられる冷却カバーもあるので、夏場の現場では愛用しています。

 

 

ー大工や現場監督を務めていて、やりがいを感じるのはどんな時なんでしょうか?

加藤:家が納期内に満足のいく出来で建てられて、お客様にお渡しする瞬間はやっぱり嬉しいです。ダイレクトな反応を頂けるので、どれだけ大変だったかとかも忘れてしまうくらい。水回りの動線は実際に家事をするところをイメージしてアドバイスさせて頂くこともあります。「女性らしい目線が入った住宅になってよかったです」とお客様から仰って頂けたときがあって、本当に現場監督になって良かったなと思いました。あとは、現場のチームワークが最大限に発揮されている瞬間かなと思います。

ーチームワークが発揮されるために気を配るところもあるのでしょうか。

加藤:大工1人1人のスキルや強みは深く理解するように努めていますね。そのうえで、どの仕事を担当してもらうかを考えています。チームワークが発揮されている現場は仕事の進みも速いですし、なによりも空気が良いんですよね。そういった現場で現場監督を務めていられることは、幸せなことだと感じています。

ー加藤さんは小学校1年生のお子さんがいらっしゃいますが、仕事と育児の両立は大変なものでしょうか?

加藤:大工の仕事って基本的に、朝早くスタートして夕方は早めに終わるということがほとんどなんです。だから、育児と仕事は両立しやすいなと感じていますね。朝の送り出しは主人にお願いして、夕方以降の家事・育児は私が中心にやっています。

 

ー大工の現場に女性進出が進んでいますが、加藤さんの現場でも女性の大工は働かれていますか?

加藤:まだまだ少ないですが、私の現場では新人で女性が1人いますね。とてもやる気のある子なので、なるべく私がフォローするように心がけています。家が出来上がる喜びを感じるようで、大工として働き始めたときの自分とついつい重ねてしまいます。これからも、女性が働きやすくなるような現場になるよう、私自身が働きかけていきたいと思っています。

ー女性としての大工の苦労ややりがい、これまでわからなかった世界についてお話頂けて本当に良かったです。本日はありがとうございました!

加藤:こちらこそ、ありがとうございました。現場監督として、私もまだまだここから力をつけていきたいと思っています。

 

(文:小春)

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